ここではよくあるご質問をご紹介します。
使用者は、労働者に、時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合、法令で定める割増率以上の率で算定した割増賃金を支払わなければなりません。
★割増賃金についての詳細につきましては、こちらをクリックしてください!
割増賃金の額は、基本的には賃金を時間給に換算し、それに時間外労働、休日労働、深夜労働の時間と割増率を掛けて割増賃 金の額としています。
<1時間当たりの賃金額の計算方法>
割増賃金計算の「1時間当たりの賃金額」の算出方法は、下記になります。
賃金支払い形態 | 計算方法 |
時間給 | 時間給の金額 |
日給 | 日給÷1日の所定労働時間数 ※所定労働時間が異なる場合:日給÷1週間における1日の平均所定労働時間数 |
週給 | 週給÷週の所定労働時間数 ※所定労働時間が異なる場合:週給÷4週間における1週の平均所定労働時間数 |
月給 | 月給÷月の所定労働時間数 ※所定労働時間が異なる場合:月給÷1年間における1ヶ月の平均所定労働時間数 |
出来高払制その他の請負制 | 賃金算定期間中に受けた賃金の総額÷賃金算定期間中の総労働時間数 |
<割増賃金の計算の基礎となる賃金から除外される賃金>
次の賃金は割増賃金の計算の基礎となる賃金には算入されません。
①家族手当(一律で支給される場合は、除外できません)
②通勤手当(一律で支給される場合は、除外できません)
③別居手当
④子女教育手当
⑤住宅手当(一律で支給される場合は、除外されません)
⑥臨時に支払われた賃金
⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
これらに該当しない賃金は、全て割増賃金の計算の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
また、①~⑤の手当についても、このような名称の手当であれば、全て基礎から除外できるというわけではありません。例えば、扶養家族の人数や実際に生じた通勤費、家賃の金額などに関係なく一律で支給する場合、割増賃金の計算の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
<割増賃金の率>
時間帯 | 割増率 |
時間外労働 | 25%以上 |
深夜労働 | 25%以上 |
休日労働 | 35%以上 |
時間外労働が深夜の時間帯に及んだ場合 | 50%以上 |
休日労働が深夜の時間帯に及んだ場合 | 60%以上 |
<割増賃金の端数処理>
割増賃金の計算では、次のような端数処理が労働基準法上認められています。
①1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合
・・・〇50銭未満→切捨て〇50銭以上1円未満→1円に切上げ
②1ヶ月の時間外労働・休日労働・深夜労働それぞれの割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合
・・・〇50銭未満→切捨て〇50銭以上1円未満→1円に切上げ
③1ヶ月の時間外労働・休日労働・深夜労働それぞれの時間数の合計に1時間未満の端数が生じた場合
・・・〇30分未満→切捨て〇30分以上1時間未満→1時間に切上げ
<具体例>
月給制の場合の1時間当たりの賃金の算出をしてみます。
・1年間の休日日数:110日
・1日の所定労働時間:8時間
・支給内容:基本給190,000円
資格手当40,000円
家族手当10,000円(人数に応じて支給)
住宅手当20,000円(一律支給)
通勤手当15,000円(1ヶ月分)
-時間単価の計算-
1年間の休日日数110日より、1年間の所定労働日数を求めます。
365日-110日=255日
1ヶ月当たりの平均所定労働時間を求めます。
(365日-110日)×8時間÷12=170時間
割増賃金の計算の基礎となる賃金を求めます。(通勤手当・家族手当は除外します)
基本給190,000円+資格手当40,000円+住宅手当20,000円=250,000円
月給制の場合の1時間当たりの賃金額は、「月給÷月の所定労働時間数」で求められます。
250,000円÷170時間=1,470.588・・・円
50銭未満を切上げ→1,471円
1,471円が1時間当たりの時間単価になりますので、こちらに割増率を乗じてそれぞれの割増賃金を求めます。
中小企業の勤怠管理・給与計算に関することなら、お気軽にお問合せ下さい。
社会保険労務士法人リーガルネットワークス
03-6709-8044
このページのトップに戻る